というわけで、レビューのお話を。基本的にネタばれしまくっているので、<レビューを読む(後半)>からお読みいただく方向で。
第一話「猫当てゲーム」
ゲストはジョセフ・ベローズ氏。株や社債を動かすトレーダーさんです。ある担当された富豪がお亡くなりになり、彼から遺産を相続する権利を経たのですが、それには無理難題と思える条件が付いていて困っておられます。
作品関連リンク
黒後家蜘蛛の会贋作集~Phony Tales of Black Widiwers~
原作作品も含めてどんな作品かはこちらのページやダウンロードしたソフトにも入ってますので気楽にダウンロードしてみてください。
「あの、ひとつよろしいですか、お客様。このゲーム、ウィンドウズ限定ですのでお客様のMacではご利用いただけません。ご了承ください。」
珍しいなヘンリー。君がMac用を用意しておかないなんて。不親切じゃないか。
「申し訳ありません、零悟さま。しかし零悟様、人間は万能ではありません。分相応というものもございます。ご了承ください。」
Echtrae--異界行き-
「猫当てゲーム」の作者、切霧舞さんのサイト。「創作」の項の「ミス・ジャッジ・クラブへようこそ!」はブラックウィドワーズシリーズのオマージュだそうです。読んでみなくては!
以下レビューです。
今回は冒頭から「ゲーム理論」の話題。
各々の掛け合いも原作を踏襲し、憎まれ口叩きあう登場人物たちがほほえましい(笑)。
ゴンザロの派手なファッションと落書き癖も相変わらず。
ベローズ氏を招いた今回のホストはアヴァロン。
時代を反映してヘビースモーカーのドレイクの肩身の狭さが反映されてるのもニヤリとできるポイント。
料理はクレオール料理。自家製パンとともに出てきたのはオクラのスープ。・・・イメージわきませんね。この後登場する料理も丁寧に説明がされていて、好奇心がそそられます。
さて、尋問のお時間。トランブルが尋問の音頭をとります。
ベローズ氏の伯父上が亡くなり投資信託を任されていた関係からベローズ氏にも遺産が渡ることに。
しかし、条件が。この条件が実に面白い。
「ゲーム、と名付けた猫がいるから見つけてみろ。」
と。条件が見たせなければベローズの取り分は寄付してしまうという。なかなか面白い条件です。
しかし、米文学に詳しい方はここでピンと来たかもしれません。
ヘミングウェイと幸福の猫。
私、不勉強故、知りませんでした。こういう新たな発見はいい作品の証拠。あまりネタばれしてもどうかと思いますのでここで置きますが、欲を言えば中盤に出てくるルービンがほめる人が別の人でもよかったかも。
ゲーム理論、クレオール料理、ヘミングウェイと多彩な雑学が一つにまとまって、ブラックウィドワーズ(黒後家蜘蛛の会)らしい、スマートな物語になっています。もちろんヘンリーの給仕ぶりと推理も健在。
パスティーシュといわれると原作とのギャップが気になるものですがゼロです。お見事でした。
お楽しみあれ。
「猫当てゲーム」関連リンク
ゲーム理論(
Wikipedia)
クレオール料理(
Wikipedia)
ヘミングウェイ(
Wikipedia)
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